リーグ後半戦のスタートに、清水エスパルスがホームで勝利した。清水はガンバ大阪に2-0。鄭大世(33)チアゴ・アウベス(24)の主力2トップを欠きながら、DF松原后(20)が先制点、DF鎌田翔雅(28)が追加点をマークし、約8年ぶりにG大阪から白星を挙げた。順位は13位から12位に浮上した。

 日本平の夜空を、清水の勝利を祝う金色の花火が彩った。クラブ創設25周年記念マッチで、苦手のG大阪に完封勝利。リーグ2試合ぶりの白星だが、ホームでは連勝だ。小林伸二監督(56)は「後半戦に向けて、いいサッカーができた」と手応えを口にした。

 鄭とチアゴの主力2トップを欠く窮地で、チーム一丸となって戦った。前半29分、MF金子翔太(22)の左CKがファーサイドに流れ、松原が押し込んで先制した。観戦に訪れた母しのぶさんの誕生日にゴールを決め、「日頃、感謝を口にしないので、これで感じてもらえたら」と話した。

 リードしても攻め続けた。ここまでの4勝は1-0だったが、この日は最後まで追加点を奪いにいった。ピッチ内では「0-0のつもりで戦おう」と声をかけ合った。

 同40分には、鄭の代わりにキャプテンマークを巻いたMF竹内涼(26)が、ライン際で相手GKよりも一瞬速くヘッド。これを受けたDF鎌田もヘッドで追加点を挙げた。昨季の左膝前十字靱帯(じんたい)損傷など大ケガを乗り越え、プロ10年目でJ初得点。試合後のヒーローインタビューでは涙をこらえ、落ち着くと笑顔を見せつつ心境を語った。「いろいろ思い出して、泣くかと思いました。自分が決めて勝つと気持ちいい。今まで引っ張った人がいないことで、みんなに火がつきましたし、できるところを見せられました」。

 92年7月4日にG大阪とクラブ初の対外試合を実施してから25年。J2降格も経験したが、清水は力強く歴史を刻んでいる。【保坂恭子】