長かったトンネルに、ようやく出口が見えてきた。北海道コンサドーレ札幌は30日、リーグ戦の控え組が札幌・宮の沢で札幌蹴球団と練習試合(30分×2)を行い、MF稲本潤一(37)が15分限定で途中出場。「もう1度コンディションを上げて、8月中には試合に絡んでいきたいと思っている」と、自身3年ぶりとなるJ1出場へ、意欲を口にした。

 後半15分、ピッチに登場した背番号17の姿に、練習見学に訪れたサポーターから歓喜の声が上がった。今年2月以来の実戦復帰。昨年6月に右膝前十字靱帯(じんたい)、今年3月には右膝外半月板と相次いで手術を受け、長期離脱を強いられただけに「フィジカル的な状態は、まだまだ」。それでも、自陣から柔らかいクロスを敵陣へ送ったり、右足でシュートを放つなど、持ち味を随所に見せ「痛みなくプレーできている」と、手応えはつかんだ。

 「次の練習試合では45分できたら」と、来月5日セレッソ大阪戦(金鳥スタ)後の日程を見据える。「怖さがあったり、体力的なものが足りていないので、練習試合を重ねて感覚をつかんでいきたい」。完全復活へのカウントダウンが始まった。【中島宙恵】