前節を終えて監督交代があった浦和レッズは大宮アルディージャと引き分け、堀孝史新監督(49)の初陣を白星で飾ることはできなかった。

 序盤から押した浦和が先制する。前半26分、相手のハンドで得たPKをFW興梠慎三が落ち着いて左隅にゴロで決めた。

 前節まででリーグワースト2位の36失点と守備の改善が課題で、堀監督は約1週間という短期間でてこ入れ。個人の判断任せになっていたカバリングなど細かい部分の役割分担をはっきりさせた。これが機能し、サイドの裏を安易に突かれる場面もほぼなくなった。大きなピンチもなく、1-0で前半を終えた。

 ただ後半、悔やまれる2失点を喫した。21分、DF宇賀神友弥からDF遠藤航に送られた横パスが相手に奪われ、そのまま失点した。3分後にMF柏木陽介のゴールでふたたび勝ち越したが、43分、相手のヘッドが遠藤に当たってバウンドが変わる不運な形でまさかの同点とされた。柏木は「それまでのチャンスを決められなかったのがよくなかった」と、自身の責任を口にした。

 後半ロスタイムには主審が時間を間違える珍事も起きたが、スコアが変わることなくそのまま試合は終了。堀監督の初陣は歯がゆいドローに終わった。指揮官は「短い時間ではあったが、守備の意識を植えつけようとやってきた。途中まで狙い通りにできた。ただ、あってはならないところで失点が起きた。残念」と話した。