ベガルタ仙台はホームでサンフレッチェ広島を1-0で破り、8試合ぶりに勝利を飾った。広島戦も14年5月以来となる白星。今日14日が誕生日のMF奥埜博亮(28)が後半6分、FW西村拓真(20)のシュートのこぼれ球を左足で詰め、3月18日の柏戦以来18戦ぶりの今季3ゴール目を決めた。終盤の相手の猛攻もしっかり防いで、勝ち点3をゲット。順位を1つ上げ、12位に浮上した。

 0-0で迎えた後半6分。待望のゴールが生まれた。左サイドから西村が中に切り込み、右足でシュート。相手GKがボールをかき出したが、こぼれ球を奥埜が冷静に詰めた。ゴール後には、7日に妻で元バドミントン日本代表の潮田玲子さん(33)が第2子を出産したDF増嶋竜也(32)のために「ゆりかごダンス」を披露した。

 奥埜は「ああいうプレーでは何が起こるか分からないので、詰めることにしている」と要因を分析してみせた。ゴールからずっと遠ざかっていた。さらにホームで決めたのは15年10月横浜戦以来、約1年10カ月ぶり。「ホームでも取れていなくて…ゴールが勝利につながって良かった」と胸をなで下ろした。

 チームの進化が感じ取れた試合だった。リーグ戦が再開以降、大量失点を恐れて守備の意識が高まる一方、積極的な攻撃が発揮できないジレンマを抱えるようになった。そんな中、後半は、3バックを中心に広島FWパトリックを軸とした猛攻を防ぎながら、攻撃の手を緩めなかった。累積警告で欠場のDF平岡に代わり3バックの中央で先発した大岩は「パトリックのところを意識していた。DFとしても自信になる」と守備について語った後、「攻撃のところでもDFがもっと貢献できるように」。攻守のバランスが良化しつつある。

 下位3連戦で、白星スタートを飾った。攻守に手応えを感じた渡辺晋監督(43)は「目標(トップ)に近づけるように」と、さらなる上を目指す。【秋吉裕介】