その手は、神の手となるか。ベガルタ仙台は明日30日、ルヴァン杯準々決勝鹿島アントラーズ戦(第1戦、ユアスタ)に挑む。クラブ初の同杯準決勝進出へ落とせない初戦に向け、MF佐々木匠(19)は「クラブの歴史を塗り替えられたら」と決意を語った。

 先月末。佐々木はクラブを代表し、都内で開かれた同杯の準々決勝の組み合わせ抽選会に出席。右手で引き当てた相手が、昨季J1王者だった。「強いチームを引きたいと思っていたら、一番強いチームだった」。いい思い出はない。今季のリーグ鹿島戦は2試合とも出場したが、全敗。でも、1次リーグA組を首位突破した自負がある。「勢いを出せば大丈夫」と話した。

 試合では神ってる右足を見せる。4月12日の磐田戦で驚異的な右足ループを決めるなど、1次リーグ3位タイの3得点。開幕時に23歳以下の選手に受賞資格があるニューヒーロー賞には、得票上位選手に3回連続で入った。本人も「鹿島相手でもルヴァンですし」と同杯での好調を自覚しており、ゴールを狙う。

 前線の選手が手薄だ。清水で同杯出場したMF野津田は規定で出場できず、MF梁は北朝鮮代表に選ばれ不在。さらに同杯3得点のFWクリスランは右内転筋の違和感で27日から離脱中。となれば、佐々木への期待が高まる。初戦で王者を倒せば、快挙達成も近づき、リーグ戦への好影響もでてくる。自身の右手から始まったドラマを、右足で感動超大作とする。【秋吉裕介】