アルビレックス新潟にとっては手痛い引き分けになった。

 勝ち点は1つ増えて11になったが、順位は最下位18位のまま。勝ち点で9差の17位サンフレッチェ広島から白星を挙げることで、最下位と、J2降格圏脱出の弾みをつけたかったが、負けなかったことだけがプラスだった。クラブワーストの未勝利記録は13試合に伸びた。

 粘り強くに守ったが、ゴールは遠かった。後半42分、FWドウグラス・タンキ(23)のシュートを広島のGK中林洋次(31)がはじき、こぼれ球がゴールマウスに向かって転がるが、寸前で中林にセーブされた。ほかにも絶好のシュートがブロックされ、懸命に放った1本は、マウスを捕らえきれない場面が続いた。

 呂比須ワグナー監督(48)は「チャンスが何回もあったが、決められなかった」と悔しさを隠さない。

 この日は8月にサガン鳥栖から期限付き移籍のMF小川佳純(33)が、移籍後初出場でフル出場。トップ下に入り、攻撃のアクセントになった。「引き分けている暇はない。勝たなければ」と残留への執念をあらわにした。

 勝ち点21の15位ヴァンフォーレ甲府が敗れたことで、残留圏までの勝ち点差が11から10になった。わずかな前進を勢いに返るためには、次節の首位鹿島アントラーズ戦(16日)で勝ち点3を奪うしかない。