松本山雅FC・MF工藤浩平(33)が東京ヴェルディ戦で、2得点を決めた2日の徳島ヴォルティス戦に続く、2戦連続ゴールでチームを勝利に導いた。

 1点をリードした後半14分、東京Vペナルティーエリア内の混戦から、DFのクリアボールを拾ったFW高崎寛之(31)が後方に出したパスをフリーで受けて、右足で決めた。「ペナルティーエリアの中にいたら、ヒロ(高崎)がいいボールをくれた。GKの脇の下を抜けて入りました。ヒロの周りで、いつも狙っている。ヒロが見ていてくれた。体を張ってくれたヒロが全て…僕は押し込むだけ」と笑みを浮かべた。

 ここ2試合で3発の固め打ちだが「点を取るタイプではない」という。反町康治監督(53)からはゴールを含め、躍動感のあるサッカーを求められてきたが、やりきれず、8月12日の名古屋グランパス戦から3試合は、途中出場2試合に1試合はベンチ入りに終わった。そこで考えを改めたという。

 工藤 ボールを触りたくて低い位置で受けて、松本山雅の躍動感のあるサッカーの中で、自分の良さを出せなかった時に外されたと思う。考え方も変えないといけないと思い、ベンチで見ていた。監督の言うとおりにしたら点が取れた。

 年代別日本代表にも名を連ね、2001年にはU-17(17歳以下)世界選手権にも出場した工藤も、33歳。「難しいですけどね。したいことと求められることは…うちの中でどう活躍するかを考えてやっていきたい」。年齢を重ねても謙虚にサッカーに向き合った姿勢が、2戦3発の“覚醒”を生んだ。【村上幸将】