14日に27歳になったばかりのベガルタ仙台MF三田啓貴が、闘志を新たにした。明日16日、古巣のFC東京と敵地で対戦する。味スタでの東京との公式戦の戦績は過去1分け9敗。3月のルヴァン杯1次リーグでは0-6と惨敗している。現在、仙台と東京の勝ち点はわずか1差で追いかけている。三田は「勝てば必ず順位は上がる。(27歳)最初の試合が東京だけど今しか勝つタイミングない」と期した。

 主将のMF富田晋伍(31)が左太もも裏肉離れで全治約8週間と長期離脱した。16年からダブルボランチを組む相方の離脱を受け「今まで頼ってきた分、晋伍さんがいない中でも、結果を残したい」。14日の紅白戦1本目ではMF奥埜と組み、好感触だった。主将が治療に専念するためにも、この覚悟は頼もしい。

 勇姿を披露したい選手が、相手にもいる。元日本代表MF石川直宏(36)は憧れだった。東京の下部組織に所属した中学時代にサインをもらったことを懐かしむ。トップ昇格後も「カットインからのシュートは参考にした」と目標だった。

 国立競技場での13年5月ナビスコ杯(現ルヴァン杯)新潟戦。自身プロ初得点が決勝弾になった。先制点は石川。2人は腕を突き上げ「シャー」と叫んだ。「忘れられない思い出だね」。あれから4年。8月、石川は今季限りの引退を表明。「苦渋の決断だったと思う」。直接対決はかないそうにないが、鬼門突破を果たして成長を見せる。【秋吉裕介】