川崎フロンターレがACL準々決勝浦和戦での大逆転負けのショックを払拭(ふっしょく)した。3日前の浦和戦で一発退場になったDF車屋は、試合前、サポーターの「車屋コール」に奮い立った。1-0の前半25分。DF谷口のスルーパスに抜けだし、グラウンダーのクロス。FW小林の4試合連続得点をアシストし「得点に絡むプレーをと思っていた。最低限、アシストできたのは良かった」と安どの表情を浮かべた。

 失意の浦和戦の翌14日。車屋は志願してサブ組の練習に参加した。「満足できない自分がいて。ボールに触っているうちに切り替えた気持ちになれた」。チームメートからはいじられ、励ましの声をかけられ、期するものがあった。「助けられた。まだ全然、取り返せたものではないけど、これからどんどん結果を残して返していきたい」。

 心身ともに疲弊した中2日の試合で、快勝で勝ち点3を手にした。敗れればJ1優勝争いから後退する状況の中、小林は「紳太郎(車屋)のパスだったから余計、決めなくちゃいけないと思った」と絆も強まり「勝負弱い」と言われた昨季までの姿はない。悲願のタイトルへ向け川崎Fはたくましさを増した。【岩田千代巳】