横浜F・マリノスDF中沢佑二(39)が“アムロス”に陥った。大ファンだという安室奈美恵の引退発表から一夜明けた21日、横浜市内での練習後に大きなショックを受けたと告白した。ライブに足を運び、プロとしても尊敬する同学年の国民的歌手のファン歴は20年以上。フィールド選手として、J1歴代最長の148試合連続フル出場中の鉄人が「立ち直れるかな」などと、珍しく弱気な発言を繰り返した。

 敗れた試合後も気丈に振る舞う鉄人が、かつてないほどガックリと肩を落としていた。練習後、中沢はサッカーの話は一切せず、安室奈美恵が引退を発表した寂しい胸中を語り続けた。

 中沢 ショックですよ。(前夜に)天皇杯で勝ってヨッシャーなんて思ってたらニュースで知ってビックリ。本人が決めたことだから仕方ないけど、一ファンとして残念。立ち直れるかな。ずっとファンだから。(90年代中盤にテレビ番組の)ポンキッキーズに出ていたころから。好きな曲なんて選べない。全部好き。電撃復帰を願うばかり。

 ライブにも何度も足を運んだ。曲と曲の間のトークを省き、すべての時間を歌とダンスで魅了する姿には「プロとして尊敬するし、見習ってきた」と、フル出場を続ける現在の手本としてきた。来年9月のラストライブは「見に行きたいよね。その日だけは試合があっても練習があっても、休むという契約を交わそうかな」と、あながち冗談でもなさそうに話した。

 ブログでも「うそだと言ってほしい」「耐えられる自信がありません」とつづった。最後に「試合には影響しません。影響したらプロじゃない」と自分に言い聞かせるように話したが、どこか視線はうつろ…。中沢のアムロスを最小限に抑えることが横浜にとって勝利への近道かもしれない。【高田文太】