東京ヴェルディのミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(60)は、FC町田ゼルビア戦でリーグ戦5試合ぶりに勝利を挙げ「特に感情の面で難しい試合だった。4試合勝ちなしできていたから、勝たないといけない試合だった」と振り返った。

 昇格プレーオフ圏6位への出入りを繰り返す中、9月の4試合は昇格プレーオフを争うジェフユナイテッド千葉、横浜FCに引き分け、松本山雅と名古屋グランパスには負け、2分け2敗と未勝利に終わり、圏外に転落。前節までの順位は9位で、6位の松本との勝ち点差は4あった。

 苦しい状況の中、迎えた町田戦を前に「難しい感情を、どう高めた?」と質問が飛んだ。ロティーナ監督は「集中力を強調した。この間の試合(1-4で大敗した9月24日の名古屋戦)で2失点をCKから喫した。今日の相手も190センチ台が3人いて、自分たちより高さがある。他には、やってきたプレーをしよう、ボールを奪って相手の空いたスペースを活用しようと言った」と説明した。

 その言葉どおり、選手は躍動した。得意のドリブルを随所で仕掛け、町田陣内のスペースを切り裂いた。両サイド突破からのクロス、サイドチェンジからのクロスなど、長いボールを相手ペナルティーエリア付近に放ち、そこに飛び込む攻撃で町田を押し込んだ。

 今季は残り7試合となった。順位は9位のままだが、6位の横浜FCとの勝ち点差は3と1点、差が縮まった。ロティーナ監督は、この日の勝利の意味、今後にもたらす影響について聞かれ、次のように答えた。

 監督 僕たちが見ているのは常に次の試合。この試合の影響があるとしたら、次の試合。順位の上には、とても強いチームがいて、僕たちがすごく難しい挑戦をしていることは分かっている。でもファンの夢だったり、希望に対して、僕たちは責任を持っている。数は少ないかもしれないけれど、いつも私たちを支え、側にいてくれるサポーターに、できる限りの喜びを与えるために最後までトレーニングしていく責任があります。

 ロティーナ監督は、数は少ないとしながらも、サポーターの期待、希望を背負っている責任を感じて毎週、戦っていることを強調した。【村上幸将】