ベガルタ仙台は今日4日、ホームでルヴァン杯準決勝川崎フロンターレ戦第1戦に臨む。MF中野嘉大(24)は川崎Fから期限付き移籍中だが、契約の縛りはなく、同戦は出場可能だ。クラブ初の国内2大カップ戦決勝進出に向け「一番楽しみにしてきた。負けたら何も意味がない」と所属元と真っ向勝負する。

 0-2で敗れた4月のJ1ホーム戦は、負傷で離脱していた。対戦機会が「もう1回しかないのかと沈んでいた」が、鹿島を準々決勝で破り、2試合追加された。古巣は先月30日にC大阪に5-1と圧勝、国内3冠も狙える位置にいる。その強さを最も理解する男は「タイトルを欲しい思いは両方あると思うが、どちらが上回れるか。自分のサイドからやらせないようにしたい」。右サイドバックのエウシーニョはC大阪戦2発と好調で、要注意だ。

 川崎Fは期限付き移籍中の選手にも古巣対決を容認する。今季鳥栖に期限付き移籍したMF原川も7月に古巣と対戦し、得点。「僕は(リーグ戦も含め)3試合もあるので点を取りたい」と宣言。渡辺監督は「覚悟を持って仙台に来ている。でも暴走しないように手綱を締めないと」と冗談を交えつつ、意気込みを買った。

 1日の浦和戦で移籍後初アシスト。得点した7月30日柏戦以来となる結果を残し、中野は「ナオさん(石原)もクリスランもいるので、僕がいいボールを供給すれば」。大一番へ、頼もしさは増してきた。【秋吉裕介】