セレッソ大阪の日本代表FW杉本健勇(24)が“御前試合”でスーパーゴールを決めた。日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(65)が視察したサガン鳥栖戦で0-1の前半25分、DFをかわして最後は左足ループシュートで同点弾。ハイチ戦で怒りまくった指揮官を喜ばせた。後半13分には約4カ月ぶり先発のMF清武弘嗣(27)が決勝弾を決めて2-1。リーグ戦の連敗を3で止め、5位に浮上した。

 前半23分にPKで先制された直後の25分、杉本がずぶぬれのピッチをドリブルで進撃した。DF2人に挟まれたがその1人の股を抜き、左足で放ったループシュートがゴール右隅にグサリ。「ドリブルはイメージ通り。でもシュートがね、あんないいところにいくとは」と本人もびっくりの同点弾。決勝ゴールの清武が「健勇がスーパーゴールを決めてくれて流れに乗れた」と絶賛した一撃だった。

 大雨のベアスタを視察に訪れたハリルホジッチ監督は「代表候補が(ゴールを)決めるのはいいことだ。彼には激しいデュエル(球際の強さ)を求めているが、それが出ていた」と評価。杉本が代表初先発、初得点を決めた10日ハイチ戦では3-3の結果に怒りまくったが、この日は長身FWの可能性を見届けた。

 ただ、アピール成功にも杉本に慢心はない。「まだ試合は続くんで、継続していかないと」。目標の得点王も今季17得点目で浦和興梠に2差。貪欲に結果を求めて桜を、日の丸を背負って戦う。【実藤健一】