アビスパ福岡DF亀川諒史(24)は、東京ヴェルディに引き分け、自動昇格圏の2位から転落したことに「勝ち続ければ自力で昇格できた状態。勝たなければいけなかった」と悔しさをにじませた。

 引き分けたことで、14年まで在籍した古巣・湘南ベルマーレの1年でのJ1復帰を“アシスト”してしまった。この日、湘南の曹貴裁監督(48)が視察に来ていたことを伝え聞くと「あっ、そうなんですか?」と聞き返し、一瞬、苦笑いを浮かべた。その上で「J2で優勝して、1年でJ1に戻るんだという目標をチームで立ててきましたし、今節に勝って、湘南さんが明日(ファジアーノ岡山戦で)負ければ、まだ止められた状況だった。結果的に、湘南さんの昇格が決まってしまった。終わってしまったことなので、何を言っても結果は変わらない」と悔しさを吐露した。

 前半は一進一退の展開ながら、ボールを支配し、やや優勢に進めたものの決定力を欠いた。前半32分にはFW石津大介が右CKのこぼれ球をフリーでシュートを放つも、大きく枠を外した。後半は、逆に東京Vのパス回しに翻弄(ほんろう)され、自陣に押し込まれる展開が続いた。前半4対2と上回っていたシュート数も、後半は1対6と逆に圧倒され、いつゴールを割られてもおかしくないほど攻められた。

 主将のMF三門雄が故障で欠場し、32試合に出場のDF冨安健洋、チーム最多17得点のFWウェリントンを出場停止で欠いた上、試合中にDF岩下敬介も試合中に故障し、前半でピッチを後にするなど、チームは万全の状態ではなかった。亀川は「残り3試合ある。J2の自動昇格が完全に消えたかと言ったら、そうではない。残り3試合、しっかりやっていきたい」と自らに言い聞かせるように言った。【村上幸将】