ベガルタ仙台はアウェーでガンバ大阪と1-1で引き分けた。順位は12位のままだが、降格圏の16位広島が敗れ、8季残留が決定。今季は1度も降格圏に落ちなかった。

 前半19分にCKから空中戦で敗れて長身の相手FWに先制弾を許したが、そのわずか3分後。MF奥埜博亮(28)の今季4点目で同点に追い付いた。

 残留の立役者は「残留できたことはすごい良かった」としみじみと語った。DF蜂須賀が左サイド敵陣深くからグラウンダーのクロスを供給。受けたFW石原からMF三田、100試合出場達成のMF野津田と右へつないだ。味方が連動して相手守備陣をかき乱し「前にスペースができた」。ペナルティーエリア手前から右足ミドル弾を決めた。

 「上の順位を目指しているから、しっかり勝ちきりたかった」と追加点を奪えなかった現実を悔しがる。ただ、上昇志向だからこそ「点を取れたことはすごい自信になる」と相手の日本代表GK東口からの得点を喜ぶ。アウトにかかったワンタッチシュートは、GKが読みづらい軌道となった。離脱した主将の富田の代役として入ったボランチでは初ゴール。「もっと増やしていければ」と期した。

 主導権を握れずに厳しい時間帯もあったが、何とか守った。「残留は何とも思っていない」と1桁順位入りを宣言していた渡辺監督も「粘り抜いて勝ち点1を取れた。『割り切って守ろうぜ』と選択したのは選手たち自身。そこは1つの収穫」と強調した。ここが終着点ではない。残り3戦、全勝を狙う。【秋吉裕介】