アスルクラロ沼津が劇的勝利で2連勝を飾った。セレッソ大阪U-23に1-0。後半ロスタイムに途中出場のFW渡辺亮太(26)がヘッドで決勝点。引き分ければ優勝が遠のいた一戦に勝利し、首位栃木との勝ち点差を3に縮めた。

 ロスタイムは2分。DF藤原拓也(24)が左クロスを供給すると、味方が折り返したボールにFW渡辺が迷わず飛び込んだ。「ゴール中央にいれば、何か起こると思っていました」。190センチの長身を生かしたゴールで、試合再開直後に終了のホイッスルが鳴った。

 チームを救う劇的ゴールを決めた渡辺は、胸を張って言った。「最後まであきらめずに戦った結果だと思います」。試合開始直後から濃霧が発生し、後半途中には雷雨で試合が19分間中断した。吉田謙監督(47)も「時間を追うごとにピッチ状況が変わる難しさはあった」と振り返ったが、全員が集中力を切らさず、勝利への執念を見せた。

 この日、藤枝と引き分けた首位栃木との勝ち点差は、4から3に縮まった。残り5試合。12月3日の最終節には、ホームで栃木との直接対決が控えている。そこで優勝を決めるには、勝ち点3差以内を死守する必要がある。渡辺は言った。「目の前の試合に勝つことだけを意識して、優勝を目指します」。次戦はホームで相模原と対する。優勝に望みをつなぐためにも、勝つしかない。【神谷亮磨】