清水エスパルスは、ホームで北海道コンサドーレ札幌に0-2で完敗した。昨季までジュビロ磐田に所属したFWジェイ(35)に2得点を許し、目の前でJ1残留を決められた。ケガから復帰したFW鄭大世(33)が途中出場したが、リーグ5戦連続無得点でクラブワースト記録となった。J2降格圏の16位甲府とは勝ち点3差。次節ホーム最終戦の新潟戦(26日)が、J1残留を懸けた大一番になる。

 「札幌」コールを聞きながら、清水の選手はピッチに倒れ込んだ。今季15敗目で、リーグ7戦勝ちなし。J2降格圏ライン16位との勝ち点は4から3差に縮まった。足をけいれんさせながら、フル出場したFW北川航也(21)は「こういう状況にさせたのは自分たちだし、これから変えられるのも自分たち。次、勝つしかない」と悔しさをにじませた。

 不運にも見舞われた。1点を追う前半32分、右サイドDF清水航平(28)が上げたクロスを、FW金子翔太(22)が相手GKと競り合った。GKがボールをこぼし、金子の体に当たってゴールラインを割ったがファウルとされ、ノーゴールの判定。抗議したが覆らなかった。後半途中から鄭ら攻撃的なカードを切り、システムを変更。攻撃に人数をかけて、CK12本などでチャンスは作ったが、リーグ5戦無得点のクラブワースト記録だけが残った。

 警戒していた札幌のクロスと高さにやられた。リーグ中断期間の約3週間、高身長の選手をジェイに見立てるなど、入念に対策してきた。だが、小林伸二監督(57)は「思った以上に高かった」「思った以上にプレッシャーを受けた」と繰り返し、完敗を認めた。

 後がない状況に追い込まれた。次節新潟戦で負ければ、降格圏転落の可能性がある。その一方で、引き分け以上でJ1残留が決まる希望もある。鄭は「J2はもう勘弁。自分が復帰して、チームを引っ張っていく」。DF犬飼智也(24)は「下を向いている暇はない。全員で1つになって戦う」。残り2試合。いよいよ本当の正念場だ。【保坂恭子】