ジェイ弾でJ1初の10位を視界にとらえた。北海道コンサドーレ札幌は1-0でガンバ大阪を下し、2連勝で12位に浮上した。0-0の後半27分、FW菅大輝(19)の左CKをFWジェイ(35)が頭で合わせ先制。この1点を守り抜き、2試合連続完封勝利となった。J1での敵地3連勝は初めて。G大阪戦白星は02年以来15年ぶりで、初めて敵地で勝った。10位G大阪との勝ち点差を2に詰め、チームのJ1最高順位が12月2日最終節サガン鳥栖戦(札幌ドーム)で実現の可能性が出てきた。

 ジェイが新たな歴史への扉を開いた。後半27分の左CK。相手選手の前に1度出てマークをはがすと、下がりながら、相手背後にまわった。ゴールからそれていく菅のボールに、後ろ向きで移動しながら頭で合わせ、ゴール左へと突き刺した。「ストライカーは技術と身体能力とタイミングが大事。イブラヒモビッチが30歳を過ぎても得点を決められるのは、その3つを備えているから。今日の得点は、FWとしての自分の経験を生かすことができた」。技ありヘッドでアウェーG大阪戦初勝利に導いた。

 これで最近5戦7発。前節清水戦で2得点を挙げ16年ぶり残留に導くと、今度は02年以来15年ぶりのG大阪討ち。今節敗れた東京を抜いて12位に浮上し、11位仙台(勝ち点41)にも1差と肉薄した。「みんなはサバイバル(残留)のことばかりを口にするが、僕はいかに上にいけるかしか考えていない。もっとポジティブに考えることが大事」。有言実行の48番が、さらなる高みを見据えた。

 新たな目標が近づいてきた。10位G大阪との直接対決を制し、勝ち点差は2。最終鳥栖戦で勝てば一気に2クラブを抜いてクラブ最高のJ110位に入る可能性が出てきた。四方田監督は「少ないチャンスで点を取り、その後もしっかりポジションを取って守り抜くことができた。チームとしての成長を感じた」と手応えを口にした。リーグ序盤は苦手にしていた敵地だったが、ジェイの加入で初のJ1敵地3連勝。脅威の点取り屋に鬼門はない。

 来季の契約延長交渉は、今日27日にも代理人と連絡を取り、29日前後にオファーを出す見込みだ。残留の可否は条件面次第だが、ジェイ自身は札幌でのプレーに前向き。将来の夢も描いている。「いつか英国人選手として初のJ1優勝に貢献したい」。野望を果たすため、まずは最終鳥栖戦でも爆発し、17年を最高の形で締めくくる。【永野高輔】

 ◆札幌のJ1敵地3連勝 98年10月31日V川崎(現東京V)戦(2○1=等々力)から11月7日市原戦(3○1=市原)までの2連勝が1回あったが、3連勝は今回が初。ホームでは01年3月17日柏戦(2○1=高知)から5月11日鹿島戦(2○1=札幌厚別)までの4連勝が最長。