全国高校サッカー選手権が今日30日、東京・駒沢陸上競技場で開幕する。2年連続で開幕戦に登場する関東第一(東京B)は佐賀東と対戦。免疫力を高めるとされる乳酸菌を含んだコンディショニング栄養食で腸から体調を整え、インテルミラノDF長友の専属トレーナーから指導を受けて肉体を鍛えた。ベンチ入り20人に体調不良や故障者はなく、万全で初の4強入りを目指す。大会は48代表校が参加し、首都圏9会場で行われる。

 開幕前日の関東第一は都内でセットプレーなどを確認して最終調整を終えた。小野貴裕監督(37)が「今年は経験もある。選手たちも落ち着いた感じで、状況はいい」と自信をみせるのも当然だ。ベンチ入り予定の20人は万全のコンディションで開幕戦に向かう。

 選手は練習後、免疫力に影響を与える乳酸菌や筋肉になるタンパク質などを摂取できる栄養食をとっている。インフルエンザなどが流行する時期でもあり、小野監督は「腸の中からも体調を維持することを狙っている」と明かす。今月中旬に胃腸炎で一時体調を崩した選手も回復。開幕1週間前からは全部員が毎日とり、ウイルス感染を予防するため飲料ボトルの回し飲みも禁止と徹底している。

 「腸能力」に加え、肉体面では一流アスリートの専属トレーナーを務める木場克己氏の指導を今春から仰いでいる。「体幹マニア」とも呼ばれる長友も使うゴムチューブとマットを用いておなかの内側から筋肉を鍛えてきた。柔軟性も高まりけが予防の側面もある。

 小野監督は故障者が相次いだ過去の大会で「いい選手をそろえていても、けがをしていたらどうしようもない」と痛感し、体づくりにこだわってきた。今年は関東大会、高校総体、選手権と3つの都予選全てを突破。高校総体では8強と、結果にも直結。FW篠原友哉(3年)は「試合で当たり負けないようになったし、けがをする人も減った」と効果を実感していた。

 初出場の昨年は開幕戦勝利も2回戦敗退。DF小野凌弥主将(3年)は「去年はチャレンジという意味合いが強かった。自分たちの代で成績を残すことで全国で通用すると思われる。スーパーな選手はいないが、4強を目指したい」と元気いっぱい、腹の底から決意表明した。【松尾幸之介】