秋田商が神村学園(鹿児島)に0-1で惜敗し、秋田県勢として13年連続となる初戦敗退を喫した。立ち上がりから高い位置からのプレスが効いて、清水エスパルスに内定している高橋大悟(3年)を擁する相手攻撃陣を封じ込めた。しかし、前半終了間際に一瞬の隙を突かれ、その高橋に決められてしまった。3年連続の出場で初戦突破はならなかったが、強豪を相手に善戦した。

 前評判を覆す球際での強さを発揮し、序盤からテクニシャン集団を混乱させた。奈良学主将(3年)は「相手のビルドアップでミスを誘ってハイプレスがうまく機能していた。高橋君を抑えていただけに前半最後に失点したことが悔しい」と振り返った。

 運動量でも相手を圧倒した。「これだけ走るチームは他にない」(奈良主将)。夏場から学校近くの砂浜を走り回って、体力強化に努めてきた。11月に完成した人工芝グラウンドで、スプリントを強化。雪かきでピッチを整えて、パス回しのスピードと精度を磨いてきた。

 観戦に訪れた同校OBでサッカー解説者の田口光久氏(62)は「勝てるチャンスもあったし、物おじすることなく久々にいいサッカーをしていた。環境も変わりつつあるし戦術理解度が高まってくれば、全国でも十分に戦えると思う」と手応えを口にした。【下田雄一】