米子北(鳥取)が仙台育英(宮城)に完封勝ちし、同校2度目で過去最高タイの16強に駒を進めた。開始早々の3分にFW城市太志(3年)が先制弾。こぼれ球に反応し、思い切って右足でミドルシュート。クロスバーに当たった直下のゴールラインを割った。

 城市徳之総監督(50)の次男で、うれしい全国大会初ゴール。「入ったかどうか分からなかったけど、ずっとゴールを意識していたので良かった。小学生のころから父の(米子)北高のサッカーを見てきて、入りたかったので同じ学校を選んだ。1つの親孝行ができたのかな」と喜んだ。一方で「大会中は父と話してないですね。次も勝って(初の)ベスト8、さらにその上を目指すことしか考えていません」と個人的な感情はこの日だけで封印した。

 城市総監督も「個人ではなくチームの結果ですから」と特別扱いはなし。「グラウンドでは、ほかの生徒と同じですから」と笑いながら「ただ、ずっと『シュート意識を高めろ』と言い続けてきたので、そこは良かった」。前半3分に殊勲の決勝ゴールを決めた愛息に対し、さすがに目を細めた。

 3回戦は一条(奈良)と対戦。日本代表DF昌子源(鹿島)らを輩出した同校にとって、新たな歴史の1ページとなる8強を狙う。