初戦で4得点した前橋育英(群馬)のFW飯島陸(3年)が、また決めた。0-0で迎えた富山第一戦の後半ロスタイム3分、味方シュートのこぼれ球のにおいをかぎとり、フリーで拾う。右足で冷静に決勝点。自軍のラストプレーで試合を決め「こういう展開で仕事するのがエース。俺が決めてやろうと思っていた」と2戦連発に胸を張った。

 前日4発で注目された試合でも「重圧はなく自信しかなかった」。前半はCKから押し込めず、後半も左ポストを直撃するなどシュートを外してきた。それでも「最後に1点を決めればいい」と貪欲さを失わない。初戦7本、この日は4本と2試合連続で両軍最多のシュート数を数え、計5得点。小学5年から日本代表FW原口と同じ埼玉・江南南サッカー少年団で学び「よく映像を見せてもらっていた。写真を撮ってもらったこともあるし、いつか自分も日本代表になりたいので」。本家譲りのがむしゃらさで打ち続けた。

 「人生初」の得点王へランキング単独トップも「満足したら終わり」と邪念はない。前回決勝で0-5と粉砕された青森山田の敗退にも「直接対決で借りを返したかったけど、勝負の世界ではあること」と淡々。中1日で迎える米子北(鳥取)との準々決勝に気持ちを向けていた。【木下淳】