矢板中央(栃木)が前半に挙げたMF山下純平(2年)の決勝ゴールで逃げ切り、4強入りを決めた。

 36分に味方のロングボールに抜け出したFW大塚尋斗(2年)のシュートを相手GKがはじき、詰めていた山下が無人のゴールに右足で蹴り込んだ。山下は「結果が出てチームも勝ててよかった」と喜んだ。

 同大会県予選では控えとしてベンチ入りするも出番はなかった。50メートル5秒9の俊足を生かしたプレーが持ち味だが「守備で貢献できていなかったし、縦への突破があまりできていなかった」と振り返り、県予選後は自主練習を繰り返すなどして全国大会に備えた。

 すると開幕1週間前に行われた高円宮杯U-18プリンスリーグ関東の参入決定戦の日本航空戦で先制点を挙げ、2-0の勝利に貢献。「非常におとなしい子だが、スピードがあってハードワークできる。県予選後の1カ月で(波に)乗っていた」と高橋健二監督(49)の目に留まり、今大会3試合全てで先発出場。均衡を破る今大会初ゴールで期待に応えた。

 次戦は昨夏の全国総体覇者の流通経大柏(千葉)と対戦する。「結果を残さないと試合に出ている意味はない。先輩たちと少しでも長くサッカーがやりたい」。山下がチームを初の決勝へと導く。