清水エスパルスのゼネラルマネジャー(GM)に就任した久米一正氏(62)が5日、静岡市内で会見を行い、チーム強化目標を語った。「優勝争いをしていくために、常にベスト5にいることが大事になります。持っている力をフル稼働して、頑張っていきます」。

 久米氏は2003~07年にも清水の強化を担当しており、11年ぶりの復帰。昨年11月、クラブ関係者から「復活させてほしい」とオファーを受けた。他クラブからの話もあったが、「もう、(今年で)63歳。そんなに(人生が)長くないので、選手がそろっていて優勝争いができる、分かっているクラブでできたら幸せ」と快諾したという。

 清水を再建する上で、久米氏が重要視しているのが、「ホームの勝率を上げる」だ。昨季はアイスタで3勝2分け12敗。この現状を変えるべく「日本平で勝って、地元のみなさんにニコニコ帰っていただけるように、チームを束ねていきたい。選手のネジを巻きますよ」と笑顔で言った。ジュビロ磐田との静岡ダービーについても昨季の公式戦3戦全敗を嘆き、「私は浜松市出身だけど、ジュビロに3つ負けるなんて話にならない。ダービーは勝たないといけない」と唱えた。

 契約は元日からだが、実質は昨年内から動き、ヤン・ヨンソン新監督(57)の招聘(しょうへい)、獲得が決定的なFWクリスラン(25)、MF兵働昭弘(35)らの補強にも携わっている。「少し変えれば、ベスト5に入れる気がしています。やります!」。会見に同席した左伴繁雄社長は久米氏を「今季、最大の補強です」と表現し、手腕に期待した。【保坂恭子】