清水エスパルスは12日、新体制発表記者会見を静岡市内で行った。ヤン・ヨンソン新監督(57)は「良いサッカー」と何度も口にし、守備面の立て直しに着手することを明かした。8年ぶりに復帰の兵働昭弘(35)ら新加入選手9人も出席し、それぞれが思いを語った。今季背番号は、MF竹内涼(26)が6、DFフレイレ(28)が4、U-21日本代表DF立田悠悟(19)が28に変更された。

 清水のエンブレムを背に立ち上がり、ヨンソン監督が、マイクを持たずに話し始めた。

 「よろしくお願いします。お久しぶりです。何度かお会いした方もいると思います。戻って来ることができて、うれしいです」

 笑顔で会場を見渡しながら、流ちょうな日本語でのあいさつを披露した。そして、清水に必要な2つのポイントを挙げた。「勝利への気持ち」と「良いサッカー」だ。昨季54失点は、J1ワースト3位タイ。逆転負けも3試合あった。「良いサッカー」の前提として、守備の立て直しが必要だと説いた。

 「まず守備面の確認をしないといけない。ベースになるのは、堅固な守備です。個人もユニットでの改善も必要。(全)34試合、きれいなサッカーだけでは勝てない。守備をすることで、もぎ取れる勝ち点もある。堅固な守備で、失点を減らしたい」

 質疑応答では「長く話し過ぎてしまった」と言うほど、熱い思いがあふれた。その一方で、慎重な姿勢も見せた。クラブ側は「1ケタ順位」を目標とし、久米一正GM(62)は「常に5位以内を狙う」と明言したが、新監督は「答えられるのは、現実的に2~3週間後。キャンプから戻って来てから」と言った。

 15日のチーム始動には、新助っ人のブラジル人FWクリスラン(25)が合流予定。いよいよヨンソン清水のチーム作りが始まる。【保坂恭子】