ジュビロ磐田の新体制発表会見が15日、磐田市のヤマハスタジアムで行われた。名古屋グランパスから加入のMF田口泰士(26)は、名波浩監督(45)が現役時代に付けていた背番号「7」を継承。大きな期待を感じ、チームへの貢献を誓った。会見後には今季初の全体練習に参加し、新天地でのスタートを切った。

 田口の表情に、覚悟がにじんでいた。背番号「7」のユニホームに初めて袖を通すと、その重みをしっかりと受け止めた。「重く、歴史のある番号を付けさせてもらえることはうれしいです。その期待に、結果で応えていかなければいけないと思っています」。

 田口は2009年、流通経大柏から入団して以来、名古屋一筋でプレーしてきた。だが、今オフに幼少期から憧れてきた名波監督と服部年宏強化部長(44)に思いを伝えられ、悩んだ末に初の移籍を決断した。愛着のあるクラブを離れることを「挑戦」と位置付け、「7」を志願した。「自分自身が成長したいと思いますし、何より、このクラブのために全力を尽くします」。

 名波監督も田口の要求を快諾していた。「(背番号)7と10を誰が付けるかは俺に選択権がある」と公言してきたが、田口にはその資格があるとみなした。「(田口は)前に出ていけるし、インターセプトの回数が多い。相手を自分のプレーエリアに引き込める守備能力は、J1、J2での場数も含めていいレベルにある」。

 会見後にはチームメートととも始動。約1時間半のメニューで汗を流した。初日を振り返り、田口は「良い雰囲気の中で練習していることが伝わってきました。初めての移籍で『どうかな?』と思う部分はあったけど、(チームに)入りやすかったです」と言った。今季、磐田の目標はトップ5。その原動力になるべく、田口が確かな1歩を刻んだ。【前田和哉】