新生ベガルタ仙台の野獣ファイターMF野津田岳人(23)が、「味スタの呪い」を解く。チームは1日、仙台市紫山グラウンドで今日3日のアウェー東京戦へ向けミニゲーム中心のメニューをこなした。主力組の2シャドーの一角を担った野津田は、左足でゴールを決めるなど好調をアピール。開幕戦でJトラッキングデータ走行距離部門でトップの12・85キロを記録し、野性味を解き放った野津田が、まだ勝ち星がない味スタで勝利を引き寄せる。

 ▼野獣伝説その1(スタミナ) 90分間=12キロを自身に課した走行距離のバロメーターとしている野津田。開幕戦では無尽のスタミナを発揮し、リーグNO・1の走行距離を記録し勝利に貢献した。

 野津田 距離とかではなく、スペースに動き続けてギャップを見つけたり相手の攻撃を遅らせたり、無駄走りを減らして意味のある動きを意識したい。東京は個々の能力が高いが、みんなでいい立ち位置を取ることができれば崩せる。自信を持って臨みたい。

 ▼野獣伝説その2(闘争心) 世代別代表で共に戦った日本代表GK中村航輔(23)を後半ロスタイムにほんろう。GK中村の接触プレーに抗議したら、ゴールを許しイライラしていたGK中村がエキサイト。半スポーツ的行為でイエローカードが出された。

 野津田 (石原)直さんが倒されるのが見えたので「それはないだろう」と言ったら相手が本気になってきたので。エキサイトしたが心の中では冷静さを保っていた。航輔君とは普段は仲がいいんで(笑い)

 ▼野獣伝説その3(ファイト) 後半ロスタイムは4分。自陣から長い距離をドリブルで上がりベガサポで埋め尽くされた敵陣右コーナーでボールをキープ。相手DF3人との奪い合いはまさにけんかバトル。戦う姿勢を、間近で見守るベガサポの目に焼き付けた。

 野津田 最後は無理にパスをして相手DFに引っかかってカウンターを受けることだけは避けたかった。バックスタンドのサポーターがいる右サイドのほうが相手も嫌がると思った。意地でもボールをキープして失いたくなかった。ボールキープできたのはサポーターの力です。

 公式戦1分け11敗と、勝利から見放されている鬼門の味スタで大暴れだ。

 野津田 勝てていない? なら逆にポジティブに試合に臨める。ここで勝ったらチームも乗っていけるので、チャレンジャーの気持ちで向かっていきたい。今年は勝ちきることを意識している。勝利にこだわって戦いたい。

 仙台のビーストが「味スタの呪い」を解いてみせる。【下田雄一】