横浜F・マリノスDF中沢佑二(40)は、サガン鳥栖に敗れ、16年以来となる開幕から3戦未勝利の状況に「ピッチが良くなかったので、その中で自分たちがやろうとするサッカーとの相性が良くなかった。選手間の距離感も良くなかった」と振り返った。

 この日は、ホームの日産スタジアムが19年ラグビー・ワールドカップに向けた改修工事のため、中沢が東京ヴェルディから移籍した02年より5年も前の、97年4月16日のガンバ大阪戦(0-4敗戦)以来、ニッパツ三ツ沢球技場で21年ぶりとなるホーム開幕戦を戦った。同会場では7日にルヴァン杯1次リーグFC東京戦が行われたばかりで、ピッチコンディションは良くなかった。

 その中、MF天野純(26)が、前半12分にバックパスをミスして鳥栖FW趙東建(31)にさらわれ先制を許すと、後半12分には自陣ペナルティーエリア内でハンドを犯しPKを献上し、2失点で敗れた。中沢は「ミス絡みで失点した。選手は最大限、一生懸命プレー、トライしようとしていた部分はあるし、ミスというのは必ず、毎試合、誰かしらするので、ミス自体を責めることは出来ないと思う」と天野をフォローした。

 その上で「得点を取る時間が…。前半から相手のゴールに対して、良い形でシュートに行くのが少なかった。なかなかボールを運べないし、サイドを突破するのを、相手がしっかり対策してきているので、逆に僕らが裏をかいて攻撃することにトライしないと、ずっと同じ展開が続く。バリエーションを増やしていくことだと思う」と攻撃について提言した。

 17年はエリク・モンバエルツ監督の下、堅守で耐え決定機をものにするサッカーだったが、18年に就任した前オーストラリア代表監督のアンジェ・ポステコグルー監督は攻撃サッカーを掲げる。中沢は「チャレンジする気持ちは大事。新しいチームは時間がかかることはかかると思いますけど、試合は待ってくれない。共通認識が欲しいかな。今日は個で頑張っている。誰もサボっているわけじゃない。まだまだ1+1が2・5、3になるレベルじゃないし、個の力も今日は局面で圧倒された。監督の求めるサッカーにトライしないといけない」と冷静に分析しつつ、今後の課題について力を込めた。

 一方、ポステコグルー監督は、リーグ開幕から3戦未勝利について「勝つことは、もちろん大事だが自分たちのサッカー、スタイルを貫けたかと考えると今日の試合は良くない。良い試合、良くない試合はある。良い試合になっていくには時間がかかる」と語った。【村上幸将】