Jリーグの各クラブ社長らが集まる実行委員会が10日、茨城県城里町の“廃校”で行われた。と聞くと一体、どんな想像をするだろうか。

 朽ち果てた建物の中での会議…。しかし、実際は違う。元々、城里町立七会中学校だったこの廃校は今、同町の七会町民センター「アツマーレ」として2月に生まれ変わった。そして、その一部がJ2水戸ホーリーホックのクラブハウス兼練習拠点になっている。

 教室を改築した監督室やクラブ事務所。選手らが着替えるロッカー室は元は木工室、金工室だった。この校舎が建てられたのは21年前の1997年(平9)と、まだ新しい。ただ、生徒数の減少で学校の統廃合が進み、廃校となっていた。

 この過疎の町の象徴でもあった廃校を、地域とクラブで生まれ変わらせたのが「アツマーレ」。北は北海道、南は沖縄から集まった各委員も、こうした新しいモデルケースの誕生に感嘆の声をあげていた。Jリーグの村井満チェアマンは「(各委員の)みんな、手応えを感じたのではないでしょうか。人口約2万人の町が、クラブとすてきなコラボレーションをしているのを見て、自分のクラブでも…と思ったと思います」。

 水戸の沼田邦郎社長は「みなさん、本当に喜んで帰って行かれたのが印象的だった。こうした廃校利用が、全国に広まればいいなと思っています」と話した。