北海道コンサドーレ札幌は敵地で浦和レッズと対戦し、0-0のスコアレスドローだった。ミハイロ・ペトロビッチ監督(60)にとっては、昨夏まで率いた古巣との対戦。ミシャ(監督の愛称)サッカーを知る相手に攻撃ではなかなか決定機をつくれなかったが、体を張った守りでゴールも許さなかった。勝ち点1を積み上げ、J1ではクラブ最長となる「6試合連続負けなし」を記録した。

 札幌がペトロビッチ監督のかつての教え子たちと、キャンプから教え込まれてきたミシャサッカーで勝負した。5戦負けなし、結果で戦術の定着を証明してきた。自信を持って乗り込んだだけに、自分たちのサッカーを出し切れなかった悔しさはある。勝利には届かなかった。だが、敵地でつかんだ勝ち点1。2試合ぶりに先発した主将のMF宮沢は「チームとして粘り強く戦えた。(失点が)ゼロで終われて良かった」と振り返った。

 前半は自陣でのプレーを強いられた。パスをカットされ、ボールを奪われる。浦和DF遠藤が20分に放ったシュートは枠をとらえたが、GKクが好セーブでしのいだ。0-0で折り返し、後半途中からはシステムも変更し、突破口を探った。開幕から続けた3-4-2-1を、2トップ3ボランチの3-5-2へ。だが、終わってみればシュート数は今季初めて1ケタにとどまる9本。逆に浦和には13本を浴びたが、必死にしのいだ。

 キーマン不在が響いた。開幕から前節まで全試合右サイドハーフで先発したMF駒井は、浦和からの期限付き移籍のため契約上出場できなかった。代わりに入ったMF荒野は「うまくできなかった。個人的なミスが多かった」と反省を口にする。ペトロビッチ監督は「駒井が出ていれば、勝利に近づけたかな」と試合後に振り返ったが、生命線でもあるサイドからの攻撃が、なかなか仕掛けられなかった。

 それでも開幕直後と違うのは、守備が破綻しないところ。6試合連続負けなしの不敗記録は、J1でのクラブ最長を更新した。かつての本拠地で采配をふるった指揮官は、自身のサッカーを知る浦和が相手だから引き分けたとはとらえていない。「相手のプレッシャーではなく、我々がいつもの形のビルドアップができなかった」。自分たちの強みを出せなかったから、勝てなかった-。次節ホームでは、昨季とは違う、進化した姿を、あらためて披露する。【保坂果那】