FC東京が、DF太田宏介(30)のFKから2点を奪って川崎フロンターレを下した。先制は前半14分、右サイドで得た直接FKを太田が左足で放り込むと、MF橋本拳人(24)が左足で合わせてゴールネットを揺らした。

 ゲーム主将を務めた生え抜き橋本のクラブ通算800号で先手を取ると、後半24分に追加点。再び太田の左足だ。ピッチ中央からのFKを正確にGKとDFラインの間に落とし、抜け出したDF森重真人(30)が右足ダイレクトで決めて勝利を引き寄せた。

 守っては昨季王者を完封し、盤石の勝利。森重は「うまくセット(プレー)で取れて理想的な展開」と納得した。2位の東京が、勝ち点2差の4位川崎Fを蹴落としたのは大きい。長谷川健太監督(52)はセットプレー対策について「太田を使ったから。今日の得点の8割はキックの精度で決まった。相手がメンバーを入れ替えてきたので、セットを詰める時間もないと思っていた」と狙い通りの2得点に満足した。「こういうクラシコ、ダービーではセットプレーが重要になる」とも言い「前節(2日)のヴィッセル神戸戦ではセットで取れなかったので良かった」ときっちり修正してみせた。

 元日本代表の太田が「自分の仕事ができた」と期待に応え、試合後は明るい性格も全開。逆転でのW杯メンバー選出へ「選んでください。呼んでください。良いキッカーいますよ、と書いておいてください」と笑顔で会場を後にした。