アルビレックス新潟が、ルーキーFW渡辺新太(22)の3戦連発、2ゴールの大活躍で、ジェフユナイテッド千葉に逆転勝ちした。

 千葉に開始早々、アクシデントが発生した。MF町田也真人(28)が新潟陣内に中央突破を仕掛けた際、DFに倒されて左腕を痛めた。町田は左腕が動かせないまま、プレーを続けたが、前半7分にFW清武功暉と交代。千葉は序盤で司令塔を失った。

 その中、千葉が前半21分、先制した。左サイドをドリブルで仕掛けたMF為田大貴(24)が、1度、キックフェイントをしてDFをかわし、左足でクロスを上げると、ファーサイドに走り込んだFWラリベイ(33)が、DFに体を当てられながらも頭で押し込んだ。ラリベイは3月21日のカマタマーレ讃岐戦以来9戦、約2カ月ぶりのゴールに、スタンドに向けて両手で何度も投げキスをするなど喜びを爆発させた。

 両チームの対戦は、千葉のJ2降格が決まった2009年9月12日にフクダ電子アリーナで行われた試合以来、8年8カ月ぶり。ナビスコ杯(現ルヴァン杯)を含めた公式戦では、千葉が5勝6分け3敗、J1では4勝5分け3敗と拮抗(きっこう)した戦いを展開してきた。

 そんな両チームの戦いの歴史の中で、最多となる4得点を決めている、新潟FW矢野貴章(34)が後半8分、フクアリのピッチに立った。09年の試合でも決勝弾を決め、チームを1-0で勝利に導くなど、フクアリで3ゴール決めた矢野は、中盤からボールを引き出す動きだしをしたり、後方からのロングボールを受けるポストプレーなどで、前線の起点となった。

 がぜん、勢いがついた新潟は、後半22分、同点に追いつく。中央から抜け出した渡辺が、DFが密集した中、低い弾道のシュートをゴール左にたたき込んだ。さらに同30分、DF安田理大の左クロスに飛び込んだ渡辺が、ダイビングヘッドで逆転ゴールを押し込んだ。オレンジ色に染まったスタンドを前に、渡辺は矢野らと抱き合い、サポーターに向けて手を突き上げた。

 新潟が5分のロスタイムをしのぎきり、千葉とのJ2初対決を制した。