J2東京ヴェルディのミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(60)は、スペイン1部バルセロナからJ1ヴィッセル神戸に移籍した、同じスペイン人のMFアンドレス・イニエスタ(34)について「こういう選手が来るのは日本サッカーにとって有意義」、「とても日本にとっては“当たり”の選手であり“当たりの契約だ”」と語った。

 “当たり”という言葉の真意について、ロティーナ監督は「彼は2~3年、外国で過ごすために来るのではなく、情熱を持ってサッカーをプレーする。サッカーを楽しむでしょうし、それも日本の人々も見ることが出来るでしょう」と、イニエスタが本気でサッカーをしにJリーグ行きを決めたであろうと分析。その上で「スペインの歴史上、ナンバーワンのプレーヤー。フィジカル、テクニック的にも、まだまだプレー出来る状態で、サッカーするのが好きで、情熱を持ってプレーする」と、イニエスタが衰えのない状況でJリーグに来た意義を強調した。

 どのくらい期待しているか? と聞かれると「日本にとって、もちろんいいこと」とした上で、1年以上先に日本に来た先輩として「イニエスタにとっても、日本の非常に計画的な社会で、サッカーを楽しむことが出来ると思う」と、イニエスタにとっても社会のシステムが整った日本での新たな挑戦は、サッカーに好影響を与えるだろうと分析した。

 ヴィッセル神戸の親会社楽天の三木谷浩史会長兼社長(53)は、24日の会見の中で「単にチーム力の向上だけではなく、ユース年代向けのアカデミーへのメソッド導入を含め、次世代の育成にも寄与していくものと期待しております」と育成年代への大きな影響をも期待する発言をした。

 その件に話が向けられると、ロティーナ監督は「イニエスタは世界で1番優れた、バルサのアカデミーから輩出された選手。プレーを見ることによって、育成年代の子どもたちにとてもいい影響があると思います」と語った。その上で「ただ、1年間だったり短い期間では育成の改革は成し遂げられないと思う。イニエスタだけではなく、サッカーの愛を持つ指導者を連れてくるのも、1つのアイデアだと思う」とも口にした。【村上幸将】