ジェフユナイテッド千葉FW指宿洋史(27)が、レノファ山口FC戦で、Jリーグで初の1試合2発を決めた。

 まずは前半16分、右サイドのMF山本真希から中央のMF矢田旭とつないだボールを、左サイドを駆け上がったDF高木利弥が左足ダイレクトで上げたクロスを、頭で押し込んだ。「トシ(高木)から、すごい、いいボールがきた。僕は合わせるだけだったので…ボールに感謝です」。

 同点に追いつかれた前半38分、今度は矢田の左クロスを1点目と同じようにゴール正面で合わせ、GK藤嶋栄介がはじいたこぼれ球を右足で押し込んだ。

 5月27日の前節ロアッソ熊本戦を振り返り、「前の試合もトシたちからいいボールがきていたのに、僕が入れていなかったという課題があった。今日は、しっかり中に入ることを意識した。信じて入れば結果、いいボールは出してくれる。そこは、すごい良かった」と、試合で出た課題を即、修整して出た結果だと分析した。

 J1柏レイソルの下部組織U-18から2009年(平21)1月にスペイン2部ジローナに加入し、海外でプロになった。14年にスペイン3部バレンシアBから当時J1のアルビレックス新潟に移籍し、Jリーグで逆輸入デビューしてから5シーズン目。公式戦での1試合2ゴールは、新潟時代の2015年9月2日に行われた、ナビスコカップ(現ルヴァンカップ)決勝トーナメント準々決勝。浦和レッズ戦以来、2年9カ月ぶり2度目だった。「新潟でも(2ゴールは)決めていますが…久しぶりですね。いつ以来とか、あまり気にしていませんが」と笑った。

 17年に得点ランク3位の19得点を決め、今季もチーム2位の4得点を挙げているアルゼンチン人FWラリベイとの2トップを組んで3試合目で、1勝2分けと負けがない。熊本戦ではラリベイが1ゴール決め、この日は指宿が2ゴール決めた。一方がボールを受けに下りれば、もう一方が前線に張るなど、前線での連係は良かった。ラリベイの母国語のスペイン語で会話できるため、コミュニケーション面も万全だ。「関係性もやり方も徐々につかんできている。前回はホアキン(ラリベイ)が取って、今日は僕が2点取った」と、コンビに手応えを感じている。

 その上で「2点取れたのは非常に良かったけれど、勝ちにつなげたかった。僕が2点取らなくても、他の選手画展を取って勝てれば、それはあり。悔しい気持ちはありますけど(自分にとっては)ポジティブ」と冷静に現状を見つめ、先を見据えた。【村上幸将】