東京オリンピック(五輪)期待の若武者がついに初ゴールだ。北海道コンサドーレ札幌はJ2アビスパ福岡に4-0で快勝し、5年ぶりにベスト16入りした。前半12分、MF三好康児(21)がMFチャナティップ(24)からのパスをゴールに流し込み先制。今季、川崎フロンターレから期限付きで移籍したU-21日本代表が、札幌での公式戦初得点を挙げ、大勝に導いた。チームはベスト8をかけた9月26日の4回戦(時間、場所未定)でジュビロ磐田と対戦する。

 三好のシュートがついにゴールラインを割った。札幌移籍後、リーグ戦13試合で3アシストを記録も、得点はまだなかった。「やっぱり点は早く欲しかった。どんな形であれ、点を取ることを毎試合意識して入っている。まずは1点絡めたのは自分の中でも、ほっとした部分がある」と、札幌での初ゴールを喜んだ。

 今季初出場のカップ戦で、定位置の右シャドーに入った。待望のシーンは前半12分。ペナルティーエリア内でチャナティップからのパスをゴール前で受けた。飛び出す相手GKに防がれることなく、冷静に無人のゴール左隅へ左足で流し込み、先制点。トップ下コンビの連係で奪い、ゴール後、真っ先にハイタッチで喜び合った。

 川崎Fでは元日本代表の磐田FW大久保から背番号13を引き継いだ。16年シーズン終了後、大久保がチームを去る際に「来年(13番を)つけると思います」とあいさつすると「お前だろうな」の言葉をもらった。「プレーの時、自分に対しても厳しいし、練習では若手より居残りするのを見ていて、刺激を受けていた」という憧れの存在からの“認定”がうれしかった。

 J1通算最多得点者も後継として認める実力を持ち、U-21日本代表では背番号10を背負う。2年後の東京五輪、4年後のワールドカップ(W杯)を目指す日本サッカー界にとって期待の星。だからこそ、今季から戦う新天地で結果を誰よりも求めていた。

 リーグ戦再開の18日川崎F戦(札幌厚別)は契約の関係で出場できないが、チームに勢いをつける白星となった。「自分の精度が上がればもっともっとチャンスは作れる。しっかり準備して、またゴールって形でチームに貢献できれば」と、リーグ戦初ゴールも狙う。さらに天皇杯次戦の相手は、くしくも大久保が所属する磐田。この日、自信を手にした三好にとって、負けられない戦いが続く。【保坂果那】