ベルギー1部セルクル・ブリュージュへの移籍が決まった鹿島アントラーズDF植田直通(23)が13日、茨城県鹿嶋市内でのチーム練習後にあらためて思いを語った。

 移籍の話が来たのはワールドカップ(W杯)ロシア大会の期間中だったという。「W杯で本当に悔しい経験をしましたし、もっともっと上に行くためには必要な移籍だと思って決断しました」と話した。

 16年のリオデジャネイロ五輪を主力として経験していたが「五輪とは別物だと思った。かなり注目度が高くて、ここで試合に出れば、人生が本当に変わるなと思った」。だが、ベスト16に進んだ日本代表チームの中で、背番号2を着けた植田に出番は1度もなかった。それがやっぱり悔しかった。「大会を目の前で見ていて、試合に出られない悔しさがあった。あの悔しさがあるからこそ、もっとやらなければいけないという思いになった。これから世界と日々、練習で戦って、自分が成長することが必要だと思いました」。

 ベルギーリーグの話は、周囲から聞いたという。そのイメージは「スピードやパワーだったり、迫力のある試合をやっていると聞いた」。そして「自分はそこを売りにしてJリーグでもやってきたし、それをベルギーで通用するようになれば、さらに上に行けると僕も思った。自分の成長のために必要だと思って決断しました」と語気を強めた。

 14日に鹿島で最後の練習を行い、翌15日に日本を離れる。「ワクワクもあるし、楽しみもあるし、鹿島でこれだけ5年半いたので寂しさもある」。それを踏まえた上で移籍を決断した。「僕はリオ世代で、その世代がもっともっと下から突き上げていかなければ行けない年代になってきている。次の(22年のW杯カタール)大会は自分たちがメインで試合に出て、今回の大会以上の結果を出すことを目標に過ごしていかなければいけない。あっちに行って、どれだけ自分が成長できるか。プレーだけでなく人間的にももまれて、しっかりと成長できればいいなと思います」。そう決意を表明した。