FC町田ゼルビアの相馬直樹監督(47)は、ツエーゲン金沢戦後の監督会見で「蒸し暑く厳しい夏場の連戦で、選手はよく走ってくれた。たくさんの人が来てくれたのも(いい)影響があった」と、完封勝利の後押しをしてくれた7214人の観客に感謝した。

 前半は9対3のシュート数が物語るように、前線からの積極的なプレスで金沢を押し込んだ。相馬監督は「金沢はマンマークを含めてタイトにやってくる。2トップも2人とも大きく、パワーがあり(3勝3分けで6戦)負けていなくて難しい相手だと思った。我々らしいサッカーをやる。セカンドボール(を拾うところ)であったり、持つところは持つ、背中を取るところは取ると、メリハリを付けた」と振り返った。そうした戦いの中で、前半43分にMF平戸太貴(21)のゴールで先制した。相馬監督は「ゴールに迫っていて、もう少し取れたというのもあったが、あの時間帯に取れた。後半も攻める形を作られた」と戦い方には一定の評価を下した。

 ただ、後半35分以降は足が止まり、ロスタイム4分を含めラストは金沢の猛攻撃を浴びた。DFリーダーの深津康太が、後半44分に右太もも裏にけいれんを起こし交代を余儀なくされたが、何とか耐え切った。相馬監督は「最後、点差と暑さもあり、セカンドボールを拾われ、サイドに振られた。うまくいかない時の粘り、耐久性は勝つために必要。連戦になりますので、厳しい環境の中で最後まで戦う…プレーする意志を持って戦ってくれた選手に感謝したい」と耐える戦いで勝ちきったことを前向きに捉えた。

 試合前のアップ中にMF戸高弘貴が故障で先発を回避し、明大から加入したルーキーMF土居柊太をスクランブル先発させた。相馬監督は「(戸高が)アップの時、ちょっとそういう形(ケガ)になった。ベンチも追加できない中、スクランブルな入りになった。柊太は逆に緊張しないで、やれて良かったかも」と苦笑した。

 折り返し地点を過ぎた段階で、2位と好位置に付ける。そのことについて聞かれると、相馬監督は「(順位の評価は)シーズンが終わってからにします」と笑みを浮かべた。その上で「6位以内という話はしているけれど、順位の話はしていません。我々が目の前のサッカー…今日は7000人を超える方の前でプレーできましたが、そこにどれくらい全て出せるかに向いて欲しい。何位であろうと、目の前の相手に勝ちに行って欲しい。出し切ることで…初めて来た方にも、また見に来て欲しい」と一戦必勝に集中することを強調した。【村上幸将】