サンフレッチェ広島が、前半ロスタイムに得た“珍PK”から先制点を挙げ、後半にも一気の猛攻をみせて横浜F・マリノスに大勝した。

 スコアレスで迎えた前半ロスタイムに、ショートコーナーからMF青山敏弘(32)が右サイドから上げたクロスボールが、ブロックに入ったFW仲川輝人(26)の手に当たり、PKを獲得。これを青山が狙うもGK飯倉大樹(32)がファインセーブでストップし、ホームの横浜サポーターで埋まったスタンドは大歓声に沸いた。

 しかし、青山がボールを蹴る前に飯倉がゴールラインの前に出たとして、佐藤主審はPKのやり直しを命じた。当然、横浜の選手らは猛抗議するも判定は覆らず。すると広島はキッカーを青山からFWパトリック(30)にバトンタッチ。横浜サポーターの大ブーイングが渦巻く中、パトリックがきっちりとゴール左に決めて先制点をつかんだ。

 この直後に前半は終了。納得のいかない横浜の松永成立GKコーチが佐藤主審に詰め寄るなど、物々しい雰囲気の中で、試合はハーフタイムに入った。

 試合はその後、広島が後半26分までに3点を追加し、守っては横浜の反撃を1点に抑えて大勝した。青山は「(GKが前に出たのは)わからなかった。普通に外したと思った」と振り返り「1本目からパトリックが蹴りたいと言っていたので、2本目は任せた」と明かした。

 一方、飯倉は自身の体が少し前に出たことを認めつつ「初めは自分から見て左に飛ぼうと思ったけど、少しタイミングをずらされた瞬間だった。悔やんでも悔やみきれないけど、あそこで流れが変わった」と話した。