サンフレッチェ広島が1度は失敗したPKを蹴り直しでものにするラッキーも味方につけ、4得点の大勝で首位をがっちりキープした。

 始まりは前半ロスタイムに得たPKだった。MF青山が右サイドから上げたクロスボールが横浜FW仲川の手に当たり、PKを獲得。その青山が蹴ったボールは、GK飯倉のファインセーブに止められた。しかし、ボールを蹴る前に飯倉がゴールラインの前に出たとして、PKは蹴り直しに。すると青山は「1本目から蹴りたがっていたので」と、キッカーをFWパトリックへ変更した。同一選手による“蹴り直し”とならない珍しい事態も重なりスタンドがどよめく中、パトリックがゴール左に冷静に決めて先制点をつかんだ。

 これで流れを引き寄せると、後半には開始早々から一気の猛攻をみせて3点を追加して試合を決めた。青山は「(GKが出たのは)わからなかった。普通に外したと思った」と冷や汗をかいたことを明かした。一方の飯倉は自身の体が前に出てしまったことを認めつつ「少し(跳ぶ)タイミングをずらされた瞬間だった。あそこで流れが変わった」と悔やんだ。

 2位の東京も勝利し、広島にとって連敗は許されない試合だった。青山は「広島はここから落ちてくるだろうと(他クラブは)期待していると思うし、そこでどうアクションをしていくか」と油断はない。15年以来のリーグ優勝へ、広島がさらにギアを上げた。