元オーストラリア代表監督で、横浜F・マリノスのアンジェ・ポステコグルー監督(52)が8日、オーストラリア、メルボルン・ビクトリーへの移籍を発表した日本代表MF本田圭佑(32)の活躍を期待した。

 同監督は12-13年シーズンにメルボルンの監督を務めており、13年10月からはオーストラリア代表を約4年間指揮。ワールドカップ(W杯)予選などで日本とは計3度対戦し、数々の死闘を繰り広げてきた。ライバル国の選手として見てきた本田のメルボルン入りについて「とても素晴らしい経験になると思います。本田選手の今までのオーストラリアでの思い出は(スタジアムで)ブーイングをされたことかもしれないが、今度は声援が送られてくる。(本田も)移籍を楽しみにしているのではないでしょうか」と笑みを浮かべつつ話した。

 メルボルンについては「スタッフもコーチも素晴らしく、オーストラリアで最も成功を収めているクラブだと思います。サポーターのクラブ会員数も多く、本田選手が入ることによって(会員が)3万人ぐらいに増えると思います。Aリーグとしても、こういった選手が来ることはいいこと」と話した。

 オーストラリアのAリーグはサラリーキャップ制を導入しており、昨季は1チーム(20~26人)の総年俸額は293万豪ドル(約2億4100万円)以下に制限されていた。しかし、本田は同リーグが定める年俸制限のない「マーキープレーヤー」という特別待遇で迎えられる。期間は異例の10カ月で年俸は360万米ドル(約3億9600万円)という破格の金額だ。

 ポステコグルー監督はこの「マーキープレーヤー」の役割について「間違いなくパフォーマンス、結果が求められ、新しい観客をリーグにもたらすことが期待されています」とし、「その中で、わくわくするような選手をサポーターが求めている中では(本田は)得点も決められますし、完璧な存在だと思います」と期待を込めていた。