開幕戦、第2節以来の2連勝を飾った暫定最下位18位の名古屋グランパスと、前節からジーコ・テクニカルディレクターが加わった暫定6位の鹿島アントラーズの試合。詰めかけた観客は、4万3579人を数えた。これまでの豊田スタジアムでの最多入場者数は、名古屋がアジアツアーで訪れたアーセナルと対戦した13年7月22日の4万2919人。Jリーグでは14年5月3日の対セレッソ大阪戦の3万8966人が最多だった。豊田スタジアム史上、史上最多の入場者数を記録した一戦が始まった。

 そこで見せたのは、やはりブラジル代表の肩書を持つFWジョーだった。前半33分、体を使ってキープしていた鹿島MF三竿健斗から強引に奪ったボールを、ジョーが左のMF前田直輝に渡す。その折り返しのパスはDFチョン・スンヒョンが伸ばした足に触られて届かなかったが、カバーに入ったDF犬飼智也の体に当たってこぼれた。そこを、ジョーは慌てなかった。落ち着いて右にかわして、右足でシュート。前節のハットトリックに続く3試合連続ゴールは、名古屋にとってホーム通算700得点目のメモリアルになった。

 中断明けから新しく加わったDF中谷進之介と丸山祐市、金井貢史、MF前田にエドゥアルド・ネットの5人が初めて、そろって先発出場した名古屋。前半のシュート数こそ鹿島に圧倒されたが、カウンターからの決定機はむしろ上回っていた。

 後半、鹿島は立ち上がりから仕掛ける。すると後半5分、ボールを奪った三竿健からボールを受けたFW鈴木優磨が縦へスルーパス。走り込んだFW土居聖真がDF丸山をかわして左足で同点ゴールを決めた。

 しかし、その1分後、今度は名古屋だった。左サイドを駆け上がった金井が前田からペナルティーエリア内でボールを受けると、右に切り返してループシュート。これがGK曽ケ端準の頭を越えてゴールに吸い込まれ、瞬く間に突き放した。

 鹿島もあきらめない。25分に途中出場のMF安部裕葵からの縦パスを受けたDF西大伍が金井に倒されてPKを獲得。これを鈴木が冷静に決めて、再び同点に追いついた。

 しかし、大声援の後押しを受けた名古屋は沈まなかった。37分、GK曽ケ端がシュートをはじいたこぼれ球を、再び金井が胸トラップから押し込んで三たび、勝ち越し。ロスタイムには前田がだめ押し弾を放ち、4-2。今季リーグ戦初めての3連勝を飾った。

 鹿島は2度追いつくも、勝ち越すことができなかった。