ジェフユナイテッド千葉のファン・エスナイデル監督(45)は、後半30分からの8分間に3連続でPKを獲得し、決めて引き分けた町田ゼルビア戦後の会見で「感動的な試合だった。選手の努力は、この結果に値したと思う」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 前半25分にオウンゴールで先制を許すと、同45分、後半19分と3連続失点を喫し、敗色濃厚となったが、諦めなかった。後半30分、右CKからのこぼれ球を、途中出場のFW指宿洋史(27)が左から折り返したボールがDFのハンドを誘い、得たPKを指宿が自ら決めた。

 後半34分には、再び指宿がゴールを背負った状態でボールを収め、DF深津康太をかわそうとしたところで後ろから倒され、再びPKを獲得。そのPKを、今度はFW船山貴之(31)が決めて1点差となった。さらに同38分、船山が右から仕掛けてDFのハンドを誘ってPKを獲得し、自ら決めた。

 エスナイデル監督は「両チームともに同じような戦いをしていたので、0-3で負けていたのは、少し大げさな結果だ。大切なのは引き分けたことだ。偶然ではないが、引き分けたのは大切」と試合を総括した。その上で「彼らは彼らの強みを出した。直接的なサッカーだが、しっかりやってくるので守備が難しい。でも我々は負けに値しない試合はしたと思う」と町田のサッカーを評価しつつ、引き分けを前向きに捉えた。そして「0-3で負けている時から引き分けの結果になるまで応援し、後押ししてくれたサポーターに感謝している」とサポーターにメッセージを送った。

 質疑応答の中で、後半16分に先発のラリベイと交代で入った指宿が流れを変えたのでは? と聞かれると、エスナイデル監督は「流れを変えたのは多分、旭と指宿だ」と、指宿だけでなく、後半開始から入ったMF矢田旭も流れを変えた1人だと強調。「指宿はゴールに直接的な関わりをしたが、プレーに関しては旭が関わっている。矢田にはボールを持ったら主役になって欲しいし、前の試合より攻撃的になって欲しい。実際、良く出来たと思う」と矢田を評価した。

 指宿については「相手がラインを上げてきたので、走り込むスペースがあったからボールを入れようと指示したが、うまくやった。ゴールを背負うのが、彼の得意技」と評価。その上で「そもそも、彼はかなり素質がある選手。自分で信じ、実際に実行しないと。今日のようなプレーをすれば、本当に素晴らしい選手になる素質がある」と、もっと自信を持ってプレーするよう訴えた。【村上幸将】