前節、首位サンフレッチェ広島が2位の川崎フロンターレに敗れ勝ち点差が6に縮まった。台風12号の影響で1試合消化が少ない川崎Fには大きな1勝となった。3位FC東京はアウェーで北海道コンサドーレ札幌から2点先制しながら、まさかの逆転負けで3連敗。川崎Fとの勝ち点差が3に開いた上、湘南ベルマーレに勝った4位ヴィッセル神戸、V・ファーレン長崎に勝って連勝の5位セレッソ大阪との勝ち点差は4に接近した。東京は22日の天皇杯4回戦でも、J2のモンテディオ山形に1-1からのPKで7-6で敗れ、公式戦4連敗と深刻な不振に陥っている。

 下位争いも熾烈(しれつ)さを増す。名古屋グランパスが勝ち点で並ぶサガン鳥栖に勝ち、5シーズンぶりの5連勝で14位に浮上。ジュビロ磐田に敗れた14位の柏レイソル、柏と勝ち点で並ぶ13位湘南との勝ち点差が1と接近した。一方、鹿島アントラーズに敗れて連敗の横浜F・マリノスは、16位に後退した鳥栖と勝ち点1差の15位に転落。G大阪はベガルタ仙台に逆転負けしたものの、長崎がC大阪に敗れて3連敗を喫したため、鳥栖と1差の勝ち点21で並ぶも得失点差で1上回り、最下位から17位に浮上。12位の湘南から最下位長崎まで、勝ち点5の間に7チームがひしめく大混戦だ。

 今節は、直接対決2試合を含めた残留争いに注目したい。最下位の長崎は、25日にアウェーで柏と対戦する。長崎がここ4試合で15日の鹿島戦でDF高杉亮太が決めた1ゴールのみと深刻な得点力不足に陥る一方、柏もここ3試合は1勝2敗で、ゴールは15日の東京戦でFW瀬川祐輔がオーバーヘッドで決めた1ゴールのみ。そのの上、ホームの三協F柏スタジアムでは11日の仙台戦まで泥沼の5連敗中だ。1点が勝負を分けそうな予感だが、公式戦で初めて戦った4月22日の試合は、ホームの長崎が1-0で勝った。両チームとも、翌26日に試合を行うライバルチームにプレッシャーをかける意味でも負けられない。

 26日には、勝ち点1差の鳥栖とG大阪が対戦する。直近の成績ではG大阪が4連勝中と分が良い。神戸から加入し、初出場&初先発した19日の仙台戦でゴールを決めたFW渡邉千真に期待だ。鳥栖は元スペイン代表FWフェルナンドトーレスが、22日の天皇杯4回戦・神戸戦で公式戦8戦目で来日初ゴールを決め、8強入りに貢献。今度はJ1初ゴールを決めるかに注目だ。鳥栖は2-1で勝った16年6月18日のホーム戦以来、2年2カ月ぶりの勝利を目指したい。

 横浜は26日にアウェーで神戸と対戦する。リーグ戦では4月15日のホーム戦に1-2で負けたものの、それまでは4連勝を含む7勝3分け、10戦負けなしで、アウェーでも3勝2分け、5戦負けなしと分が良い。鹿島戦でベンチ外となり、J1連続出場199試合、連続フル出場178試合がストップした40歳のDF中沢佑二、東京から移籍し22日の天皇杯4回戦・仙台戦で初出場&先発し、初アシストを決めた17歳のMF久保建英の出場はなるか? 名古屋が浦和レッズを、湘南が東京を、それぞれホームに迎え撃つ試合含め、各会場の結果次第で残留争いは順位の変動がありそうだ。

 首位広島は25日に、アウェーでC大阪との上位対決を迎える。5月20日のホーム戦は0-2で敗れ、J1ではホーム7戦目で初黒星を喫した。同戦含め、直近の公式戦では1勝1分け3敗と苦しんでいる。一方、2位の川崎Fは同日、ホームで対戦する仙台にリーグ戦では5勝4分け、9戦無敗と“お得意さま”にしている。過去のデータ通りなら、勝ち点差はさらに詰まるか…広島にとって、正念場となりそうだ。