東京ヴェルディのミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(61)は、7戦無敗がストップしたヴァンフォーレ甲府戦後の会見で、審判団の判定に疑問を呈した。

試合では、MF渡辺皓太(19)が前半15、後半17分にイエローカードを2枚受けて退場となった。一方で、前半43分に中央でファウルを受けて得たFKをクイックリスタートしたところ、審判に止められた。後半31分には、スルーパスに抜け出したMF佐藤優平がペナルティーエリア付近でDFに倒されたものの、ファウルは認められなかった。

ロティーナ監督は、渡辺の退場について聞かれ「ハーフタイムに『ファウルを1つもするな』と言ったんですが、ゲームの中で熱くなっていた。2つのファウルで2つのイエロー…彼にとっても運がなかった」と語った。

その上で「我々が背後から受けたタックルについて、審判は(甲府の)選手に近寄って説明したり、警告したり話すという選択をしたんですけど、我々の場合にはすぐにイエロー…その差が何だったのか、よく分からなかった」と首をかしげた。

試合については「前半はボールを動かして、相手のエリア近くまで行けたまでは良かったが、そこからチャンスを作れなかった。彼らのチャンスは1回だけだったと思うが、決定的なカウンターとチャンスを作られた」と、主導権を握った前半に決定機を作れなかったことを悔やんだ。後半については「より拮抗(きっこう)した試合になり、我々もボールを失うシーンがあった。選手を交代して、より優勢に進めたいと思った時に(渡辺が)退場した。ライン間でプレーできる選手が何人もいるクオリティーの高い相手に、10人で戦うのは難しかった。後半、FW2人を投入し、DF井林も上げ、ゴールに迫りチャンスも作ったが点を取ることが出来なかった」と肩を落とした。

後半6分、FWピニェイロに代えてFW泉沢仁を投入した意図については「まず2人のFWでスタートしたのは、アランのスピードを生かしたかったから。アランが悪かったわけじゃないが、あまり(良いところが)出てこなかった。仁を入れたのは、ライン間だったりサイドでボールを受け、得意な1対1を仕掛けて欲しかったから」と説明。泉沢については「良くやったと思う。彼が出た後、退場者が出て守備の要求が多くなって、攻撃の時に疲れがあったと思うが、その中でも良くやってくれた」と評価した。【村上幸将】