ベガルタ仙台のMF蜂須賀孝治(28)が今日20日のホーム・サガン鳥栖戦で、変幻自在の右クロスから活路を見いだす。チームは19日、仙台市内で非公開の最終調整を行った。ここまでクロスからの得点数がリーグ最多となる13点。総得点39点中13得点(33・3%)が両サイドからのクロスから決まっている。リーグ戦4ゴール5アシストを誇る仙台の得点源が、相手の警戒網をくぐり抜け「ハチの一刺し」で勝利を呼び込む。勝てば年齢と同じ勝ち点45に到達する仙台渡辺晋監督は、目標のトップ5入りへの手応えを口にした。

目標のトップ5入りへ、負けられない戦いの行方は、蜂須賀のサイド攻撃にかかっている。

蜂須賀 相手に警戒されてマークもきつくなってプレーパターンも研究されている。シーズン序盤みたいにサイドから崩せなくなってきたけど、フェイクする動きだったり外に張らず中に入ったり、新しい動きのプレーを織り交ぜて相手マークをかわしていきたい。

シーズン前、渡辺監督は「両ウイングバックを起点とした攻撃は仙台のひとつの形。GKとDFの間にアーリークロスを上げれば相手の脅威となる。昨年までは相手が嫌がるところまで進入できずにクロスを上げていることが多かったが、今はボールが流れても逆サイドのウイングバックが上がって、セカンドボールを拾えるようになった」とサイド攻撃の活性化を予見したが、正確なクロスからリーグトップの得点数を挙げるに至った攻撃に「シャドーのハモン・ロペスをターゲットにできればより脅威になる」と期待を寄せた。

元スペイン代表のFWフェルナンドトーレス(34)、金崎夢生(29)ら個で勝負するタレント相手に守備面での警戒も怠らない。

蜂須賀 相手は(監督交代で)短時間で新しいサッカーを浸透させるのは難しいと思う。変わったことはしてこないと思うが前線にはトーレス選手、金崎選手と個の能力が高い選手がそろう。ハイボールが多くなると思うのでセカンドボールを拾う意識を高めたい。

2月に誕生した長男嵩人(しゅうと)君を抱いて入場行進しピッチに臨む予定だ。嵩人君が観戦したホーム戦は負けなしとゲンもいい。トーレス効果もありチケットもビジター席を除く各席種で完売間近で、今季最高をマークした前節浦和レッズ戦に次ぐ観客動員が見込まれる。「ホームで負けなしが続いているが、サポーターの声援があってこそ。相手は残留争いで必死にくるが我々もトップ5の目標がかかる。目標への思いが強い方が勝つと思うし内容より結果。技術より気持ち」と言い切った。【下田雄一】