前節まで3位の鹿島アントラーズと、勝ち点差4で続いていた浦和レッズ。

来季のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得をめぐってカギを握る一戦は、浦和が逆転勝ちして勝ち点3を積み上げた。後半15分にFW武藤雄樹が逆転のミドルシュートを含む2得点と大活躍した。

最初のシュートは浦和DF森脇良太。相手GKのクリアを拾ったDF宇賀神友弥からのクロスをキープしたFW興梠慎三のバックパスに走り込み、ペナルティーエリア内からフリーで左足ダイレクトで狙うもゴール上へそれた。

攻勢に出た浦和は右サイドを中心に鹿島ゴールに迫る。10分、ボールを持ったMF柏木陽介のパスをゴール前で受けた武藤が落としたところにMF長沢和輝が走り込む、左足ダイレクトで狙ったシュートは右ポストをたたいた。続く13分、ふたたび右サイドからの崩しで抜け出した武藤が右足で狙うも、わずかにゴール上にそれた。

ボールを保持する浦和、耐えてチャンスをうかがう鹿島。均衡を破ったのは鹿島DF西大伍のスーパーゴールだった。前半38分、左サイドを崩すと、MF山本脩斗が遠い逆サイドへあげたクロスに走り込んだ西が右足ダイレクトボレー。ジャストミートで放たれた低い高速シュートが、ゴール左隅に刺さった。

後半に入り、すぐに浦和が追いつく。7分、柏木の左CKにDF岩波拓也が頭で合わせ、ゴール右隅へ決めた。

そして15分、浦和に逆転ゴールが生まれた。ペナルティーエリア前でパスを受けた武藤が反転してDFをかわし、そのまま左足でミドルシュート。鋭い1発がゴール右隅を射抜いた。

逆転された鹿島はすぐにFW鈴木優磨を投入した。19分にはゴール左角から右足で狙ったが、ゴール上にそれた。

形勢逆転で今度は鹿島がボールを保持する展開に。浦和は長沢に替えてMF阿部勇樹を投入、コンパクトな守りで鹿島の攻撃スペースを消した。度重なる鹿島のセットプレーにも最後まで集中を保った浦和が得点を許さず。試合終了間際には武藤がカウンターからDF3人を交わすドリブルでそのまま決めるだめ押し点で試合を決定づけた。

残り4試合で東京、札幌といった上位勢との対決が残る浦和。DF槙野智章が「勝ち点3以上の価値がある」と語った重要な一戦をものにし、これでリーグ5戦負けなし。目標である3位以内へ希望をふくらませた。