来季J2アルビレックス新潟に移籍が決定しているシンガポールプレミアリーグ新潟シンガポール(S)のGK野沢洋輔(38)が24日、県内でのクラブのPR活動を開始した。県内のメディア出演など28日のホームFC町田ゼルビア戦まで行う。03年J1昇格決定時の守護神の11年ぶり復帰。その前にチームに貢献しようと、さっそく動き始めた。

新潟を訪れた野沢はすでに「顔」だった。23日に新潟入りし、24日は地元テレビ局の生放送番組に出演したほか、新聞、雑誌などの取材を受けた。28日まで県内の各メディアを回る。「大切な仕事なので」。00年から08年の新潟在籍時も多くのメディア、イベント出演をこなし、ファンの心をつかんだ。サービス精神は当時と変わらない。

「新潟を愛しています」と言う。選手として新潟に骨をうずめたいと思っていた。新潟S社長でもある是永大輔専務(41)から「一緒に新潟で戦おう」と移籍を告げられた時は「夢がかなうとはこういうことかな」と涙して喜んだほどだ。

15年から在籍した新潟Sでは計13個のタイトルを獲得。今季はプロ初のベストイレブンに選出された。「GKとしてのスキルアップを感じた」。荒れたグラウンドに度々変更になる試合日程。試合ではラフプレーが多発。当初はJリーグとは大きく異なる環境に戸惑った。ただ「こういうところでやるんだ、と決めてから良くなっていった」。試合では「もう少しで止められた」と後悔するプレーはまずなくなった。失点は納得できるものだったという。

「その力をJリーグで発揮するために新潟に来た。客寄せパンダになるつもりはない」。試合で存在を示すことが新潟移籍の目的だ。ファンサービスはプロとして当然の行動。「昔の僕を知っている人はもちろん、知らない人にも楽しんでもらいたい」。来季を見据え“アルビ愛”を前面に出す。【斎藤慎一郎】