ジュビロ磐田が、湘南ベルマーレとのJ1残留天王山を制した。台風の影響で延期となっていた一戦で1-0。0-0の前半34分、FW川又堅碁(29)の3試合ぶり、今季10点目で先制。終盤はルヴァン杯王者の相手に猛攻を受けたが、守備陣も2試合連続の無失点で応え、ホームで貴重な勝ち点3を獲得した。

FW川又が絶対に負けられない一戦でエースの仕事を果たした。0-0の前半34分、MF山田大記(29)からパスを受けたMF松浦拓弥(29)の落としたボールに反応すると、後方から走り込み、左足一閃(いっせん)。アウトサイドで捉えたボールは、左ポストに当たってネットを揺らした。

試合前日の29日、「まずは、この湘南戦に全てをかけたい。後手に回らないように、先に点を取りたい」と誓って臨んだ一戦。宣言通り、9月22日のホーム横浜戦以来3試合ぶりの得点を挙げ、2年連続2桁得点に到達した。チームとしても4試合ぶりの先制点。本拠地ヤマハスタジアムは、大歓声に包まれた。

名波浩監督(45)も「先制点が、何より鍵になると思っている」と話していた貴重な1点をエースがもたらすと、守備陣も体を張ってゴールを死守。後半40分には松浦に代えてDF大南拓磨(20)を投入し、ルヴァン杯を制して勢いに乗っていた湘南の猛攻に最後まで耐え切った。前節アウェー長崎戦に続く2試合連続の無失点で、虎の子の1点を守り切った。

7戦ぶりの勝利を飾り、ホームで大きな、大きな勝ち点3を獲得した。勝ち点は37に伸び、順位も15位から13位まで浮上。J2自動降格圏の17位柏との勝ち点差も「4」に広がった。今季も残り4試合。次節以降も、上位4チームとの厳しい戦いが続く。ただ、J1残留へ確かに前進した。【前田和哉】