サッカー元日本代表のGK川口能活(43)が4日、今季限りでの現役引退を所属のJ3SC相模原を通じて発表した。

川口と長く日本代表の正GKを争い、98年フランス大会からワールドカップ4大会にともに選出された名古屋グランパスGK楢崎正剛(42)は、盟友の引退を簡単には受け入れられないようだった。「一言で表現するのは難しいけど、やっぱりさみしい…。もっとやると思っていたから」と静かに言った。

派手な川口とは対照的なキャラクターで「ずっと意識はしてきた」と打ち明ける。若いころはメディアの対立をあおるような構図もあって過剰に意識。表面上、互いに気にしないと言っていた2人の間には、溝もあったようだ。「最初は(関係性も)トゲトゲしていましたね。でもだんだん、和らいできて、今はもう気にするようなこともないけど」。2人にしか分からない歴史を重ねてきた。

GK川口のすごさを、誰よりもよく知っている。「勝負強いところとか、大舞台で活躍するところ、とにかくすごいなと思うところが、たくさん。うらやましいなとも思ったし」。楢崎は76年、川口は75年生まれ。同世代だが、ずっと目標だった。川口がいたから楢崎がいる。もちろんその逆も、そうだろう。「自分より1つ年上。いつも先を行っていたからね」。最大限のリスペクトでねぎらい。追い掛け続けてきた背中をもう1度、思い返していた。