ベガルタ仙台は、サンフレッチェ広島を1-0で下し、13年以来となる勝ち点45に到達。来季のJ1残留を決めた。0-0で迎えた後半、FW石原直樹(34)の今季7点目となるゴールで先制。後半終了間際にMF椎橋慧也(21)が負傷退場し数的不利となったが、日本代表GKシュミット・ダニエル(26)の好セーブなどでピンチを切り抜け、6戦ぶりとなるクリーンシートの勝利。川崎フロンターレの優勝も、アシストした。

エースFW石原が久しぶりの一撃で、古巣の夢を打ち砕いた。後半22分、FWハモン・ロペス(29)がセンタリングを胸で流したボールに反応。「ハモンが体を入れたときに来るイメージはできていた。後はミートさせることを心掛けるだけだった」と右足で冷静に仕留めた。これが決勝ゴールとなり、くしくも、古巣広島の優勝の芽を摘む一撃となった。

石原 振り返れば、今自分がこうしてプレーできているのも広島に所属したことが大きい。成長させてもらったし、このピッチでプレーしたことは僕にとって濃い時間だった。しっかりと自分のプレーを出そうと意識してました。

まさかのアクシデントにも動じなかった。後半41分に3枚目のカードを切り、クローザーのMF富田晋伍(32)を投入し逃げ切りを図った直後だった。ゴール前の混戦でMF椎橋が顔面を強打し流血。そのまま担架で運ばれ退場した。「残り10分は何とかこの1点を守り切るという気持ちで戦った」と石原。ロスタイム5分を10人が体を張って守り抜いた。渡辺晋監督(45)は「アクシデントがあったが、今シーズンで乗り越えなければならない壁でタフに戦ってくれた。残り2試合で力を消尽していきたい」と選手をたたえた。

残り2戦で5位東京との勝ち点差は5。目標のトップ5入りは微妙な状況となっているが、すでに昨年の勝ち点を4上回っており、2位に躍進した12年以来6年ぶりとなる、勝ち点50を超える可能性を残している。「これに満足せず、いい流れを作っていきたい」と石原。5戦ぶりに敵地で勝利し次節鹿島とのホーム最終戦へ向け勢いを付けた。【下田雄一】